感性の旅を経て、もう一度、生命のめぐりを見つめ直す。
循環・時間・問い・関係──四つの呼吸が、世界とわたしたちの律動を描く。
思考ではなく、感性の深呼吸として。
変化する世界の中で、どう呼吸し、どう関わるかを探る哲学の連作です。
循環 ― 与えること、めぐること
生きるとは、与え、受け取り、また手放すこと。
すべては流れの中でめぐり、形を変えながら続いていきます。
「与える」という行為は、世界の呼吸に身を委ねることでもあります。
    
    はじめに ─ 世界は、めぐりでできている 水は蒸発して雲になり、雨として戻る。 植物は枯れて土に還り、新たな命を育てる。 私たちの身体も、空気も、関係も、すべては循環の中にあります。 「循環をつくり、回す」とは、この世界の自然なリズムを思い出し、 生き方や仕事の中にもその原理を...
時間 ― 一回性の中で生きる
すべての瞬間は二度と訪れません。
その儚さの中に、生命の誠実さが宿ります。
いまを生きることは、過去と未来を抱きしめることでもあります。
    
    はじめに ─ 同じ瞬間は、二度と来ない 朝の光、誰かの声、湯気の立ちのぼり。 それらはすべて、もう二度と同じ形では訪れません。 だからこそ、「いま」という瞬間には、取り返しのつかない重みと美しさがあります。 「一回性に全力で向き合う」とは、その一瞬一瞬に命を込め、 過去にも未来...
問い ― 未完のまま進む知のかたち
問いは終わらせるものではなく、育てていくもの。
わからないままに生きることは、世界と呼吸を合わせること。
未完であることを恐れず、ゆらぎの中にとどまる知の成熟です。
    
    はじめに ─ 答えのない世界をどう生きるか 変化の激しい時代にあって、 「正解を見つけること」が難しくなりました。 昨日の常識は、今日にはもう通用しない。 だからこそ、問いと共に在りつづける力が求められています。 問いとは、迷いではなく、生きるための羅針盤です。 確信...
関係 ― 「ひとり」と「ともに」のあいだで
わたしたちは無数の関係の網の中で生きています。
近づきすぎても、離れすぎても、世界の呼吸は止まってしまう。
「ひとり」と「ともに」を行き来する往復の中に、生の律動があります。
    
    はじめに ─ 距離があるから、見えてくるもの 人と人との関係も、自然との関わりも、 すべては「距離」によって形づくられています。 近づきすぎると見えなくなり、遠ざかりすぎると伝わらない。 そのあいだにある“ほどよい間合い”こそが、関係を生かす呼吸です。 私たちはいつも、ひとりで...
生命の哲学 ― 呼吸としての生
循環とは、世界と呼吸を合わせること。
時間とは、いまという瞬間に立ち会うこと。
問いとは、まだ見ぬ世界に手を伸ばすこと。
関係とは、他者とともに生き直すこと。
この四つの哲学は、生命の異なる側面を照らしながらも、同じ流れの中でひとつの円環をなします。
生きるとは、そのめぐりの中に自分を置き、変化と静けさのあいだで調和を見つけていくことです。
関連:原則4〜7(7つの原則より)
    
    人生の旅の中で、立ち返り、選び、感じ、進むための問いが、この7つの原則です。 矛盾や揺らぎをも抱きながら、あなた自身の感性で歩みを続けてください。 それぞれの原則には、象徴する言葉と問い、日々に活かせる実践フレーズを添えました。 〈原則1〉矛盾を抱いて進む ゆるさとストイック...
詩的な哲学の面から同テーマを綴ったエッセイも、noteで公開しています。
noteマガジン「律と余白のあいだで」 内の
「哲学の四部作」シリーズとして掲載中です。
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問いとめぐりを抱えたまま、世界との関係をもう一度見つめていく。