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記録

診断の前に、理解してもらう

─ ChatGPTとMBTIを、構造理解の入口として使うということ

Understanding Before Diagnosis

名付ける前に、
触れている動きを確かめる。

診断は、
そのあとでいい。


MBTI診断そのものに、強い不満があったわけではない。
むしろ、よくできた道具だと思う。

ただ、使い方によっては、
人を早く理解した“つもり”にさせてしまう危うさがある。

INFP、INTJ、ENFP。
名前を得た瞬間、
それまで動いていたものが、急に固定されてしまう感覚。

当たっているかどうかよりも、
切り取られすぎてしまうことの方が、少し気になっていた。

MBTIは「答え」ではなく「補助線」

MBTIは、答えではない。
地図のようなものだ。

地図は便利だが、
現在地が分からなければ、
かえって迷うこともある。

多くの場合、
診断の前に必要なのは「どこにいるか」を決めることではなく、

これまで、どんな順番で動いてきたのか
何を大事にしてきたのか
どこで引っかかり、どこで回復してきたのか

そうした流れを、そのまま扱うことだと思う。

MBTIは、
それを説明するための補助線として使うと、ちょうどいい。

ChatGPTを「診断役」にしない

最近は、
「ChatGPTにMBTI診断をしてもらう」
という話も見かける。

それ自体が悪いわけではないが、
個人的には、少し違う使い方の方がしっくりきた。

ChatGPTの一番の強みは、
性格を当てることではない。

大量の前提情報を、削らずに保持できることだと思う。

人に話すとき、私たちはどうしても話を整理してしまう。

  • 重要そうなところだけを抜き出し
  • 分かりやすくまとめ
  • 迷っている部分を削る

それは親切さでもあるけれど、
同時に、構造を壊すことでもある。

ChatGPTとの対話では、
寄り道も、矛盾も、未整理な話も、
そのまま置いておける。

理解してもらうために、
うまく話す必要がない。

この「雑さを許せる環境」が、
構造理解には意外と重要だった。

私の場合は、この順番だった

もし、MBTIを構造理解の道具として使うなら、
おすすめしたい順番がある。

  1. まず、整理しないで書く
    人生、仕事、興味、違和感。まとまっていなくていい。
    「これは関係ないかも」と思う話ほど、そのまま残す。
  2. ChatGPTには「理解してほしい」と伝える
    診断してほしい、答えがほしい、ではなく、
    この人がどんな構造で動いてきたかを理解してほしい、と頼む。
  3. そのあとで、MBTIや認知機能を見る
    結果を「決める」のではなく、照らし合わせる。
    当たっているかどうかより、「なぜそう出たのか」を見る。
    すると診断は、ラベルではなく、確認作業に変わる。

向いている人/向いていない人

このやり方は、誰にでも向いているわけではない。

向いている人

  • 自分を雑に扱いたくない
  • 決めきれない時間を信頼したい
  • 性格より、構造を理解したい

向いていない人

  • すぐ答えが欲しい
  • 型に当てはめて安心したい
  • 正解を探している

どちらが良い悪いではない。
ただ、距離感が違うだけだ。

理解されることで、診断が使える

MBTIを否定したいわけではない。
ただ、主役にしすぎない方がいいと思っている。

理解 → 診断 → 活用
この順番にすると、診断はとても静かに、ちょうどいい位置に収まる。

診断は、自分を決めるためのものではなく、
すでに動いている構造を、あとから確かめるための道具だった。

そう思えたとき、ようやく使えるようになった。

※この記事は、MBTI診断を勧めるためのものではありません。
自分の構造を、壊さずに扱うための一つのやり方を、記録として残しています。

先に、理解がある。
そのあとで、補助線が引ける。

名前は、
動きを止めないために使う。


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Shingo Takenaka

Shingo Takenaka

しなやかな律を探る実践者|APLF主宰

北海道・苫小牧市に生まれ育つ。東京大学大学院を修了後、外資系テック企業で働きながら起業。 現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を探求しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を静かに発信し、日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を重ねながら日常の美しさを見つけ続けています。

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Shingo Takenaka

APLF主宰

しなやかに、自分の律で生きる
人と自然、もののめぐりを見つめながら
東大院|外資テック|起業10年

.
去年の旭山で。

何をしているのかは、よく分からない。
でも、ずっと見ていられた。
.
七夕から、大晦日まで。

振り返ってみると、
できたことよりも、
形にならなかったものの方が
たしかに残っている気がします。

言葉にならなかった感覚、
途中で立ち止まった問い、
まだ名前のついていない違和感。

それらを急いで回収せず、
このまま年を越してみようと思います。

Photo by ruedi häberli on Unsplash
.
光のゆらぎだけが、
静かに景色を整えていた。

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