第Ⅰ部では、生命の土壌を見つめた。
第Ⅱ部では、生命が置かれている世界の配置へと視線を移した。
ここから触れていくのは、
生命と世界が、それぞれ網として存在しているという前提の上で、
その網が重なり、位相が変わるときに立ち上がる現象である。
それが、出来事という現れである。

第Ⅲ部で扱う問い
出来事は、どこから始まるのか。
それは、ひとりの意思からだけでも、
世界の構造からだけでも生まれない。
生命というネットワークと、
世界というネットワークが重なり、
接続が変わるとき、現象は立ち上がる。
出来事とは、
網の上で起きる位相の変化である。
それは、生命と世界のあいだだけに限らない。
月が海を引き、波が立つ。
風が木を揺らし、誰かがそれを見る。
人と人。
人と自然。
何かと何か。
異なる網が重なり、接続が変わるとき、
出来事は立ち上がる。
出来事の見え方
出来事は、その瞬間には
接続が変わるという事実として起きている。
しかし私たちにとっては、
それは単なる構造の変化ではない。
出会いとして。
転機として。
流れとして。
辿り着いてしまった場所として。
構造は変わり、
私たちはその変化を、
人生として経験している。
第Ⅲ部の構成
-
出来事は網の上で起きる
世界は網として存在している。出来事はその網の上で立ち上がる。 -
人は世界に見つけられる
見つけるだけではなく、見つけられているという現象。 -
流れの場所という現象
出来事は均等には訪れない。流れが立つ地点がある。 -
辿り着いてしまうという現象
意図の外側で接続が回復していくような出来事。 -
役割と配置
自分の意志だけでは決まらない位置と、引き受けの輪郭。 -
神話としての出来事
個人を超えた物語として出来事が現れるとき、何が起きているのか。
深層における第Ⅲ部の位置
第Ⅰ部が生命の条件、
第Ⅱ部が世界の配置であるならば、
第Ⅲ部はその二つの網が重なったときに起きる変化を扱っている。
思想でもなく、方法論でもなく、
構造が動いたときに現れる現象を見つめる層である。
出来事は、意図の外側から始まる。
その静かな始まりに、ここから少しずつ触れていく。
➝ 深層 Ⅲ-Ⅰ|出来事は網の上で起きる ─ 接続が変わるとき、出来事は現れる
出来事として残っている記録