しなやかに、自分の律で生きるための実践知メディア

深層Ⅰ

深層と実践

─ 共通原則と断面が“土壌から立ち上がる”とき

From Depth to Practice — How Roots Become Principles and Principles Become Life

深層シリーズは、生命・関係性・時間・身体・存在といった
“生きる前提”を静かに掘り下げてきた。
これらは一見すると、日常の行動から遠く離れているように思える。

しかし、実際にはすべての実践はこの深い層──
静かに広がる生命の土壌の上に立っている。
土壌が変わると、育つ根も、枝葉の広がりも、そして実る果実も自然に変わる。

この最終章では、APLF が大切にしてきた
深層 → 共通原則 → 断面 → 実践 という立ち上がりをあらためて見渡し、
深層がどのように日々の行動へと姿を変えていくのかを確かめていく。

深層から共通原則へ ── 土壌が“根のあり方”を形づくる

深層で扱ったテーマは、どれも形がない。
揺らぎ、間合い、気配、存在の立ち上がり——
それらは、言語化される前の“生命の地層”として静かに息づいている。

この土壌が豊かであるほど、そこに伸びる根はしなやかで、強い。
APLF における 7つの共通原則 は、まさにこの土壌から自然に結晶化した
“生き方の根”のようなものである。

  • 矛盾を抱えて進む
  • 自分の断面で世界を切る
  • 身体と感性をひらく
  • 循環をつくり、回す
  • 一回性に全力で向き合う
  • 問いと共に在りつづける
  • 距離と関係を旅する

これらの原則は、技術でもルールでもなく、
深層の感覚が、日々の歩みを導く“根の言葉”になったものである。

共通原則から断面へ ── 世界を“どう切り取るか”という枝ぶり

共通原則は生き方の方向を示すが、抽象度が高いため
そのままでは生活の具体的な場面に結びつきにくい。

そこで必要になるのが、
どのレンズで世界を切り取るかという視点である。
これが APLF の 6つの断面にあたる。

  • しなやかに生きる律をつくる
  • 自分を整える、日々を整える
  • 日常に驚きと美しさを見出す
  • つながりの中で、共に育ち合う
  • よいものを見極め、活かす
  • 投資と回収で人生をデザインする

断面とは、
根(共通原則)がどの方向に枝葉を伸ばすかを決める“世界の見方”である。
レンズが変われば、同じ日常もまったく別の景色を帯びる。

断面から実践へ ── 行動は枝葉のように自然に伸びる

深層 → 共通原則 → 断面 と積み重なってくると、
日常の行動は“努力で捻り出すもの”ではなくなる。

深層が変わると、世界の見え方が変わる。
見え方が変わると、選ぶ行動そのものが変わる。
これは意志力でもタスク管理でもなく、
世界との関わり方が変わることで自然に立ち上がる運動である。

たとえば──

  • 以前なら避けていた対話を自然に選ぶようになる
  • 習慣が努力なしで続くようになる
  • “よいもの”を見極める感覚が鋭くなる
  • 投資と回収が循環として働き始める
  • 旅や移動の意味が変わる

行動は、深いところからゆっくりと芽吹く生命の動きに近い。

深層 → 共通原則 → 断面 → 実践
この循環が「生命の構造」と重なる

APLF の構造は、思想の体系というよりも、
生命がどのように立ち上がり、世界と関わっていくかを示した
ひとつの「構造」そのものである。

ここまで見てきたように、
深層で扱ってきた生命観や関係性、揺らぎといったテーマは、
日常の行動から切り離された抽象概念ではない。

それらは、行動が芽吹く前に広がっている
土壌そのものとして、
すでに私たちの足元に存在している。

この土壌から、根が伸び、
根のあり方が枝葉の広がりを決め、
やがて果実として世界との関わりが現れる。

  • 深層(=土壌)… 生命観・関係性・揺らぎ・存在といった地層
  • 共通原則(=根)… 世界と関わるための姿勢や指針
  • 断面(=大枝・枝葉)… 視点や問いとして広がるコンテンツ
  • 実践(=花・実)… 体験や場として結ばれ、次の循環へ種を残すもの

この流れは、説明として理解するものというより、
生命が自然にそうであるような在り方、感じ取られるものである。

生命樹でみる APLF ― 深層から実践へ
Tree of Life — From Depth to Practice

行動だけを変えようとしてもうまくいかない理由は、
この循環のどこかが切り離されているからである。

深層という土壌に触れないままでは、
共通原則はただのスローガンになり、
断面は思考のフレームにとどまり、
実践は表面的なテクニックとして消耗していく。

しかし、深層という土壌から自然に立ち上がるとき、
行動は「選ばなければならないもの」ではなく、
あなたという生命が世界に現れる運動として芽吹く。

おわりに ── 深層という大地の上で生きる

深層シリーズが扱ってきたのは、行動の奥にある静かな領域であり、
思想であり、感覚であり、あなたという生命の姿勢そのものだった。

深層が更新されると、
共通原則は抽象ではなく“血の通った根”となり、
断面は世界をひらくレンズとなり、
実践は自然な運動として芽吹き始める。

生きるとは、深層と表層が
呼吸のように往復する営みである。
この往復が整うと、
世界は静かに、しかし確実に姿を変えていく。

深層シリーズは、ここでひとつの呼吸を終える。
しかし、深層という大地への旅は終わらない。
あなたの感覚が更新されるたびに、
深層は新しい姿で再び立ち上がり続ける。

そして、
この生命が置かれている世界の輪郭が、
ふと気になりはじめることがある。

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日常の小さな選択や行動の中に、
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  • この文章を書いている人
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Shingo Takenaka

Shingo Takenaka

しなやかな律を探る実践者|APLF主宰

北海道・苫小牧市に生まれ育つ。東京大学大学院を修了後、外資系テック企業で働きながら起業。 現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を探求しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を静かに発信し、日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を重ねながら日常の美しさを見つけ続けています。

  1. 力は、どこにあるのか分からない─ 音楽と文章と、関わりの話

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  3. 0の側に触れた夜─ 向きが変わっていたことについての記録

このメディアをつくっている人

Shingo Takenaka

APLF主宰

しなやかに、自分の律で生きる
人と自然、もののめぐりを見つめながら
東大院|外資テック|起業10年

IMADEYA SUMIDA|錦糸町

やっぱり、ここにも来てしまった。

最初のきっかけは、
数年前の、ほんの偶然だったけれど、
足は自然と向いてしまう。

グラスを重ねながら、
人や店との縁は、
静かに続いていくものだと思う。

この夜は、
ここで、ひと区切り。
.
光と影の境界に、静かな断片が浮かび上がる。
夜は、内側がゆっくり整う時間。
.
この一年半で旭川には4度訪れた。
その理由をひとつに絞るのは難しい。

北海道への帰巣本能もあるし、
鮨みなとの体験も、
スナック葉子の温度も深く刻まれている。

でも、その中心にはいつも
“人との縁”がある。

あおやんとの出会いも、そのひとつだ。
東京のグルメ会や東麻布のスナックで広がった輪。
彼が旭川に赴任してからは、
その“磁場”ごと街へ移ったように感じている。

旅は誰か一人では完結しない。
たまたま繋がった縁が、
また別の場所へと連れていってくれる。

旭川では、地元の人と東京の人が自然に混ざり、
街の奥にある温度に触れられる瞬間がある。
それは観光というより、
“その土地のリズムに溶ける感覚”に近い。

縁が連鎖し、景色が変わり、
旅が次の旅を呼んでいく。

表面だけ見れば遠回りに見える動きが、
気づけば一石二鳥にも三鳥にもなっている。
思いがけないビジネスの話に繋がることすらある。
でも、それが目的なわけじゃない。

楽しい、嬉しい、心が動く。
誰かと──あるいはひとり旅でも、
出会った人や風景や“その場の空気”と気持ちや思考を共有している。
その時間そのものが、旅のいちばんの価値だと思う。

結局、旅の目的は場所だけじゃない。
「人の温度」と「縁の流れ」が、
街の見え方すら変えてしまう。
.
都市の風景にも、
ふと“呼吸”のような瞬間がある。

光の角度が変わり、
色づいた並木が浮かび上がるとき。

あわただしい日々の中にも、
季節は確かに流れている。

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