しなやかに、自分の律で生きるための実践知メディア

記録

出かけると言いながら帰る

─ 出かけることと帰ること

Going Out, Yet Returning

北海道に帰ると、
「帰ってきた」という感じがする。

空気の匂いだったり、
街の静けさだったり、
遠くに見える山や湖だったり。

そういうものに触れると、
体のどこかが少しゆるむ。

でも不思議なことに、
東京に戻ったときも、
同じように「帰ってきた」という感じがする。

帰る場所は、
ひとつではないのかもしれない。


最初からそこにホームがあるわけではない。

何度か行き来して、
時間を過ごして、
誰かと話したりしているうちに、

気づくとその場所が自分の中にできている。

そして、そこに戻ったとき、

「ああ、帰ってきた」

という感じが生まれる。


自分の場合、
最初のホームは北海道だった。

苫小牧の街。
支笏湖の自然。
冬の空。

そこから東京に出てきて、
生活が少しずつ変わった。

最初はまだ新しい街という感じだった。

けれど時間が経つにつれて、

よく行く店だったり、
何度か会う人だったり、
歩き慣れた道だったり、

そういうものが少しずつ増えていった。

気づくと、
東京にも「帰る感じ」が生まれていた。


人は、場所を持つというより、

場所との関係を持っていくのかもしれない。

何度か訪れ、
時間を過ごし、
少しずつ関係が生まれる。

そうしているうちに、
その場所は自分の一部になっていく。


人は、遠くへ出かけることがある。

旅をしたり、
知らない街を歩いたり、
普段とは違う体験をしたりする。

そういう時間を過ごして日常に戻ると、

それまで気づかなかったものが
見えてくることがある。

遠くへ行くことで、
近くにあるものが少し違って見える。


もしかすると人は、

遠くへ出かけることで、
帰る場所を少しずつ見つけているのかもしれない。

そして気づくと、
帰る場所はひとつではなくなっている。

出かけると言いながら、
実は帰っているのかもしれない。

  • この文章を書いている人
  • 最近の実践と気づき
Shingo Takenaka

Shingo Takenaka

しなやかな律を探る実践者|APLF主宰

北海道・苫小牧市に生まれ育つ。東京大学大学院を修了後、外資系テック企業で働きながら起業。 現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を探求しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を静かに発信し、日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を重ねながら日常の美しさを見つけ続けています。

  1. 選び方としての実践

  2. 宇宙は最も遠く、最も近い ─ 遠いものと近いもの

  3. 凍れた地面の上で ─ 冬の夜の記憶

IMADEYA SUMIDA|錦糸町

やっぱり、ここにも来てしまった。

最初のきっかけは、
数年前の、ほんの偶然だったけれど、
足は自然と向いてしまう。

グラスを重ねながら、
人や店との縁は、
静かに続いていくものだと思う。

この夜は、
ここで、ひと区切り。
.
静かな風景の中で立ち上がる感覚や、 
ふと心に触れる光や気配。 
そんな“ことばになる前の世界”が
自分の原点になっています。

北海道で自然とともに育ち、
工学に触れながら手を動かし、
のちに東京で、多様な文化や技術、
人との出会いを通して世界が広がりました。

自然とつくること。 
身体と思考。 
外の世界と自分の内側。 
そのあいだにあるバランスや流れに 
ずっと魅かれてきました。

APLFでは、美しさの気配や日々の気づき、 
旅や暮らしの中でふと立ち上がる感覚を 
静かにすくい上げています。

ここには、旅の記録、よいもの、暮らしの習慣、 
そして思索の断片を置いていきます。

ゆっくりと、自分の歩幅で。 
そんな時間と感受性を、大切にしていきたい。

Shingo Takenaka

▼ Web 
https://aplf.jp
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発酵玄米、続いている。
五合くらい炊いて、二升ジャーで保温。
日常のベース。
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