情報があふれるいま、誰かの正解に従って生きることは、ある意味では楽かもしれない。
でも、そうやって決めた“自分”は、本当に自分のままでいられるのだろうか?
「律(りつ)」を持つこと──それは、しなやかで折れず、
外の状況に適応しながらも、自分を見失わないための感覚だ。
「律」とは何か──定義と背景
「律」という言葉は、音楽で言えばリズムや拍子。法律で言えば規範やルール。
しかし、ここでいう「律」は、他者に与えられたルールではない。
もっと内側から生まれてくる「自分を導くリズム」や「生き方のコンパス」に近い。
それは、人生という長い演奏のなかで自分が刻む拍のようなもの。
不協和音を恐れず、自分なりのテンポで進む。
そのリズムがあるからこそ、他者とも調和できるし、ぶれずに進むことができる。
外側のルール vs. 内なる律
社会には無数の「こうすべき」が存在する。
学校、会社、家庭、SNS……そこにはルールや空気、評価基準が満ちている。
もちろん、社会のルールを完全に無視して生きることはできない。
でも、自分の律がないまま外側に合わせ続けると、気づけば「自分の声」が聞こえなくなる。
内なる律は、たとえば次のような形で現れる:
- 大切にしたい価値観(誠実さ、美しさ、丁寧さ)
- 日々の判断基準(楽を選ばない、違和感を放置しない)
- 一人の時間で確認される「これでいいのか?」という問い
これらを少しずつ積み重ねることで、「自分の律」は輪郭を持ち始める。
実践例:どう整え、どう守るか
「律」は感覚的なものだが、日々の習慣や選択を通じて磨かれていく。
たとえば:
- 毎朝、白湯を飲むという小さな律
- 人前では嘘をつかないと決める律
- 違和感を感じたとき、すぐに言語化するという律
これらは一見、地味で小さな行動かもしれない。
でも、それらの積み重ねが「自分を信じる感覚」へとつながっていく。
現代における“しなやかな軸”とは
不確実性が高まり、正解が見えにくい時代。
「強い軸」ではなく、「しなやかな軸」が求められている。
しなやかな軸とは、自分の中心を保ちつつ、環境や関係性に応じて形を変えられる力。
それは、外の世界を拒絶せず、でも飲み込まれもしない姿勢。
APLFでは、そんな軸を見つけ、育てていくための問いや実践を紹介している。
「律」だけでなく、整えやつながり、驚きといった視点も、「自分の律」を支える要素だ。
本質と日々を、結びなおすために
このカテゴリでは、以下のような記事を今後紹介していく予定:
- 「自分の価値観を見つけるワーク」
- 「ぶれない判断をするための習慣」
- 「心のコンパスを整えるための1日」
まずは、自分の中にある「律」に、そっと耳をすませてみてください。