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整え

【整え:深める #1】“整いすぎ”の落とし穴──揺らぎを抱きながら整える

「整える」ことが、いつの間にか「支配する」ことになっていないだろうか──。

私たちは日々、「整った状態」に向かおうとします。部屋、心、身体、時間…。それ自体は素晴らしいこと。でも、気づけば「整えすぎ」が苦しさを生むこともあります。

この記事では、「整え」と「揺らぎ」のバランスについて掘り下げながら、心地よく整えるヒントを見つけていきます。

「整っている」とはどういう状態か?

「整っている」と聞いて、どんな状態を思い浮かべますか?

整理された部屋、規則正しい生活、心が穏やかな状態…。どれも間違いではありませんが、実は「整い方」には人それぞれの定義があります。

重要なのは、“自分にとっての整い”を見つけること。外から見て完璧でも、自分の感覚が置いてけぼりなら、それは「ズレた整い」かもしれません。

過剰なコントロールがもたらす疲れ

最近では、SNSで「整ったルーティン」が多く紹介されます。朝の瞑想、白湯、ジャーナリング、夜のストレッチ──。

それらが役立つ一方で、「全部やらなきゃ」「ちゃんとやらなきゃ」という意識が強くなりすぎると、かえってストレスの元になります。

整えることが「自由を奪うもの」になってしまっては、本末転倒です。

“整え”は余白と柔軟性のためにある

本来、整えるのは自分にとって心地よい状態をつくるためのもの。

それは、常にピシッと整っている状態とは限りません。むしろ、崩れても戻れる揺らぎを抱えたまま整っている状態こそ、しなやかさのある整いです。

「整えすぎ」は、かたさや緊張を生みます。必要なのは、整えとゆらぎの共存です。

実践:整えとゆらぎのバランスをとる方法

① “7割整え”を意識する

完璧を求めず、あえて少し余白を残す。「あと少し」整っていないくらいが、心にはちょうどいい。

② 週に1日は「整えない日」を作る

ルーティンから外れる日を設けることで、整えの意味が再確認でき、気持ちもリセットされます。

③ 「整えたい理由」を言葉にしてみる

何のために整えるのか?ときどき立ち止まり、目的と気持ちを確認しましょう。

APLFの視点で見る「整えと動的平衡」

APLFでは、「整え」を静的なものとしてではなく、動きの中にある整い=動的平衡として捉えます。

生命の状態も、環境も、心も、常に揺らぎの中にあります。完全に整った=変化しない状態は“死”に近い

だからこそ、「崩れながら、整え続ける」ことに価値があるのです。

自分にとって「心地よい整い」とは?

最後に、あなたにとっての「整い」は、どんな状態でしょうか?

他人の整い方をなぞるだけでは、心は整いません。自分の内側にあるリズムや余白、整いの感覚に、耳を澄ませてみましょう。

あなた自身の整え方が、日々の豊かさを生む軸になるはずです。

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竹中 慎吾

竹中 慎吾

しなやかな律と、日常の美しさを探る実践者

東大大学院修了後、外資系テック企業で働きながら起業。現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を模索しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を発信。日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を行き来しながら、しなやかな律と、日常の美しさを探し続けています。

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Shingo Takenaka|APLF主宰

自分の律で、しなやかに生きる。
人・もの・自然と、つながりめぐる日々。
東大院|外資テック|起業10年

令和7年7月7日に、APLFの公式サイトを無事リリースしました。
平日に覗いてくださった方も、ありがとうございます。

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まだの方も、週末のひとときや、来週のはじまりにでも、ぜひ覗いてみていただけたら嬉しいです。…

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