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驚き

【驚き:深める #1】驚きとは「ズレ」──日常の中に異質を見出す力

驚きとは、どこか遠くの特別な出来事ではなく、実はとても身近にある「ズレ」から生まれます。
そしてそのズレは、あなたの感性を揺さぶり、世界を更新する力を持っています。

驚きは「予定調和の破れ目」

私たちは普段、ある程度予測できる世界の中で生きています。
今日の天気、仕事の流れ、いつもの店の味、よく知った人の話し方……。
そうした「予定調和」の中に、ふと入り込んでくるのが、驚きです。

それは、慣れ親しんだ景色の中にぽつんと置かれた異物かもしれないし、
自分の中の常識をくすぐるような一言かもしれません。
驚きとは、整った流れに現れた「小さな破れ目」であり、
その破れ目から、新しい視点や感情が立ち上がるのです。

なぜ人は驚きを避けがちなのか?

驚きには、心地よいものもあれば、不安を伴うものもあります。
予測不能なもの、コントロールできないものに対して、人は本能的に警戒心を持ちます。

しかし、驚きを避け続けることは、自分の感性を少しずつ鈍らせてしまうことにも繋がります。
無難で、安全で、想定内の毎日だけでは、心が動く瞬間は減っていく。

「びっくりする」という体験は、実は「生きている」ことを実感する大切なサインでもあります。

異質・ズレを歓迎する感性を育てる

驚きを生む「ズレ」は、異質なものとの出会いから生まれます。
違和感や未知のもの、あるいは今までとちょっと違う選択。

たとえば、ふだん行かない道を歩く。
興味のなかったジャンルの本を手に取る。
知らない人と、深く話してみる。

そうした「ズレ」を日常に取り込んでいくと、
世界は次第に多様なグラデーションを帯びてきます。

実践:日常の中に“異物”を招き入れる習慣

1. 「初めて」の感覚を探す

毎日のルーティンの中に、「初体験」を取り入れてみる。
新しいお店に入る、新しい道を歩く、初めての食材を使う。
小さな“未知”が、驚きの感性を目覚めさせます。

2. 「なぜか気になる」を追いかける

理屈では説明できないけれど、心にひっかかるもの。
アートや音楽、人の言葉──その“ズレ”を大切にすることで、
あなたの感性が耕されていきます。

3. 安全圏から1歩だけ踏み出す

驚きは、少しだけ「怖いけど気になる」によってもたらされます。
完全に安心できる場所から、ほんの少しだけ外に出てみることで、
新しい刺激がやってきます。

APLFと「驚き」の役割──更新される世界

APLFでは「驚き」を、世界を更新するエネルギーと捉えています。
私たちは、何かに驚くことで「こうだったかもしれない」という可能性に触れ、
生き方や価値観を少しずつ書き換えていくことができます。

驚きは、一種の「再編集」です。
自分という存在も、世界という現実も、
少しずつ書き換え、更新されていく。

その始まりが、「異物との出会い」であり、
「ズレを歓迎する」感性なのです。

最近、心が動いた“ズレ”はなんだった?

最後に、あなた自身への問いをひとつ。

──最近、あなたの中に生まれた“ズレ”はなんでしたか?

それは、誰かの言葉? 思わぬ景色? 予想外の出来事?

その違和感や驚きの中に、
次の世界の入口が、そっと開いているかもしれません。

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竹中 慎吾

竹中 慎吾

しなやかな律と、日常の美しさを探る実践者

東大大学院修了後、外資系テック企業で働きながら起業。現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を模索しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を発信。日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を行き来しながら、しなやかな律と、日常の美しさを探し続けています。

  1. 【投資と回収:深める #1】“何に使うか”がすべてを変える──時間・お金・身体の再配分

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Shingo Takenaka|APLF主宰

自分の律で、しなやかに生きる。
人・もの・自然と、つながりめぐる日々。
東大院|外資テック|起業10年

令和7年7月7日に、APLFの公式サイトを無事リリースしました。
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