Where Good and Evil Begin to Reverse
映画『ウィキッド 永遠の約束』(後編)を観た。
2つの編を観終わって残ったのは、新しさというより、むしろ逆の感覚だった。
何か新しいものを見たというよりも、ずっと前からある話に触れたような感覚。
善と悪は、どこで決まるのだろうか。
物語の中では、動物たちを助けるエルファバが「悪」とされる。
一方で、社会に適応することは「善」として扱われる。
行為そのものではなく、
それがどこに置かれるかで、意味が変わってしまう。
後半ではさらにそれが露骨になる。
善行をすると罰せられる、という歌が流れる。
そこではもう、善悪は倫理ではなく、
世界の都合によって、そう見えてしまう。
魔法使いは言う。
人は、嘘であっても信じたいから信じてしまう、と。
何もないものが、あるかのように語られ、
やがてそれが現実として立ち上がる。
もしそうだとしたら、
いま自分が見ているものは、本当にそうなのだろうか。
エルファバは、その構造の外に出ていく。
グリンダは、その中に残る。
どちらも正しく、どちらも不完全に見える。
自分はどちらだろうか、と少し考える。
善い世界とは何か。
嘘がなくなれば、それでいいのか。
それとも、何かが失われるのか。