よいものを持つこと。よいものに囲まれること。それは単に高価なものを集めることではなく、自分にとって本当に価値あるものを選び取る“眼”を育てることです。
この世界には膨大な情報とモノがあふれています。そんな時代だからこそ、「よいもの」を見分ける力が、人生の質を左右すると言っても過言ではありません。
「よいもの」とは誰にとってのよさか
“よいもの”とは何でしょうか?高品質、長持ち、有名、希少、美しい──さまざまな基準がありますが、それは誰の基準でしょうか。
大切なのは、「自分にとって何がよいのか」という視点です。他人の評価ではなく、自分自身の身体感覚や経験を通じて感じる“よさ”こそ、本質的な価値と言えるでしょう。
情報があふれる時代の“選び方”とは
現代は情報過多の時代です。レビュー、ランキング、SNS…どれも参考になる一方で、情報に振り回されると、自分の感性が鈍っていきます。
選ぶ基準が外にばかりあると、自分の判断軸を失いがちです。「なぜ自分はこれをよいと思うのか?」という問いを立てることで、選ぶ力が養われていきます。
経験・対話・背景から“よさ”を感じとる
「よいもの」は、単にモノとしての性能だけでなく、それが生まれた背景や、それに関わる人々との対話、そして実際に使った経験の中から立ち上がってきます。
例えば、ある器の魅力は、土の匂い、手仕事の温かさ、作り手との会話から感じられることもあるでしょう。“よさ”は文脈と共に立ち上がる感覚なのです。
実践:よいものに出会う視点の磨き方
1. ストーリーをたどる
モノの裏側にある人の想いやプロセスを知ると、よさが深まります。興味を持って背景を調べてみましょう。
2. 長く使う中で“味わう”
使い捨てではなく、長く使いながら変化や味わいを楽しむ視点が、自分にとってのよさを教えてくれます。
3. 他者と語る
「これ、いいよね」と共有する中で、自分では気づかなかった視点や感じ方を得られることがあります。
APLF的視点:命のバトンとしての「よいもの」
APLFでは、“よいもの”を単なる所有物としてではなく、「命のバトン」として捉えています。それは、自分の時間やエネルギー、感性を託す“媒体”でもあり、やがて誰かに手渡されていくもの。
そう考えると、選ぶという行為は、未来への贈り物を選ぶようなもの。自分の人生にも、他人の人生にも、そっと作用していく存在なのです。
最近の“これはよい”と思えた瞬間は?
最後に、問いを一つ。
──あなたが最近、「これはよい」と心から感じたものは何ですか?
それは、なぜ“よい”と感じたのでしょう? 値段?デザイン?使い心地? あるいは、そこにあったストーリーや、あなたの記憶と結びついていたからかもしれません。
日々の中にある“よさ”を見つける目。それが、これからの豊かさの鍵になるはずです。
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