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驚き

遊びの報告書 #02|鎌倉・逗子・車中泊 2泊3日

─ 誘われて、動いて、余白が生まれた

週末を、少し長く取る。
それだけで、世界の見え方が変わることがあります。

逗子で夜を迎え、北鎌倉で季節を食べ、
海沿いを歩いて温泉に入り、鎌倉で甘いものを買う。

出来事は多いのに、なぜか慌ただしくない。
その理由はたぶん、「車中泊」という余白にありました。

これは、鎌倉・逗子で過ごした2泊3日の、静かな報告書です。

車中泊の夜、サンルーフ越しに見える月
外の冷え込みは、結露として先に現れます。
その向こうに、月。
余白のある旅は、いつもこんな境目から始まります。
車内(サンルーフ)

旅のきっかけ ─ 鎌倉方面へ、長めに滞在する

12月某日 | 神奈川(逗子〜鎌倉)

きっかけは、北鎌倉の天ぷら屋に誘われたことでした。
せっかく鎌倉方面に行くなら、少し長めに滞在してみる。

宿も探しましたが、宿代も安くはない。
電車移動も悪くはないけれど、車もある。

それなら、車中泊を前提に組んでみよう。
ちょっとしたチャレンジでもあり、災害時を想定した訓練でもあり、
何より「余白」を確保できる気がしました。

事前準備 ─ 夜の冷え込みに備える

出発前数日 | 自宅

まずは、キャンプ用のマットを買い直しました。
5年以上使ったものは、さすがに限界が来ていました。

さらに、気温が下がっていく予報を見て、ポータブル電源も検討します。
迷った末に、今回はJackeryを購入しました。
「安心」を買う感覚に近いかもしれません。


Day1|逗子 ─ 夜の導線をつくる

12/6(土)夕方〜深夜 | 逗子

逗子に着いたのは夕方。
24時間900円のコインパーキングに停め、まずは街へ出ます。

ここから先は、予定というより導線です。
街を歩き、店に入り、また歩く。
その繰り返しの中で、旅のリズムが整っていきました。

ishiのパフェとビール
まずは一杯。甘さと苦さで、旅が立ち上がります。
ishi|鎌倉佐助

夜の冷え込みが気になり、途中で電気アンカを買うことにしました。
こういう判断が、旅の快適さを左右します。

それから、いつもの店へ。
だし奴と日本酒。赤貝と菊。
体が静かにほどけていきました。

日本酒とだし奴
こういう「静かな定番」が、夜の拠点になります。
ふくや|鎌倉

もう一軒。ナチュラルワインの店へ。
好みを伝えると、ボトルをいくつか並べてくれる。
選ぶ時間ごと、楽しみに変えてくれます。

帰り際、店内の人たちが手を振ってくれました。
逗子に「帰る場所」が少し増えた気がしました。

ナチュラルワインの一杯
好みを伝えると、迷う時間ごと、良い体験に変わっていきます。
Ohanaya|逗子

深夜、車に戻る前にもう一軒だけ。
コインパーキングとコンビニの間にある店で、ハイネケンを一本。
地元の友人同士で業態を変えて、新しくオープンしたばかりとのこと。
ここはまた明日、顔を出してみてもいいかもしれません。

深夜のハイネケン
予定外の一杯が、旅の余白を育ててくれます。
LABO|逗子

そして車へ戻ります。
サンルーフの内側が少し結露していて、外の冷え込みがわかる。
それでも不思議と、心は落ち着いていました。
旅の一日が、ここでいったん静かに着地します。

車内から見上げた月(サンルーフの結露)
結露越しの月。
余白は、こういう静かな景色として現れます。
車内(サンルーフ)

Day2|逗子 → 北鎌倉 ─ 朝の発見と、夜の季節

12/7(日)朝〜夜 | 逗子/北鎌倉

朝は駅方面へ歩きます。
スーパーで弁当を買うつもりでしたが、途中で気になる店を見つけました。
中華粥。スパイスカレーと迷って、やはり中華粥を。
週1日曜のポップアップのような営業らしい。

こういう「偶然の寄り道」が、旅を旅にしてくれます。

中華粥の朝食
体も心も喜ぶ朝ごはん。
ひるね(e.m_standで間借り)|逗子

その後、アイスを食べ、
前夜に少し立ち寄った店で、軽く食事をして、
夕方までは車内でAPLFの作業をして過ごしました。

外へ出たり、戻ったり。
宿でも似たことは起きますが、
車中泊の往復には、区切りがありません。
この気楽さが、いちばん良いところ。

Cremahopのアイスクリーム
クリスマスの味を、ひとつ選ぶ。
CREMAHOP|逗子

LABOのスマッシュバーガー
ふらっと顔を出せる店があると、旅のリズムが安定します。
LABO|逗子
LABOのカフェラテと空気
旅先で落ち着ける場所は、作業の質も変えます。
LABO|逗子

夕方、北鎌倉へ。
合流して、天ぷら屋へ向かいます。
季節ごとに来たくなる店には、理由があります。

天ぷら てらおか カウンター
余計な音が消えていくカウンター。揚がる音、香り、間。
天ぷら てらおか|北鎌倉
天ぷら てらおか 一皿
形ではなく、流れの中で味が立ち上がっていきます。
天ぷら てらおか|北鎌倉
天ぷら てらおか 店内
場が整っていると、言葉は少なくて済みます。
天ぷら てらおか|北鎌倉

食後、もう一軒だけ。
ここは、鎌倉で大事にしたい店のひとつです。
小さな紹介が、次の縁を連れてくる。そんな夜でした。

Day3|朝の冷え込みと、地上への着陸

12/8(月)早朝〜午後 | 鎌倉

朝5時に目が覚めました。少し寒い。
それでも、整えてきた装備のおかげで、致命的ではありません。

早朝は作業に集中し、ひとつの区切りまで進めます。
旅の中で「書く」が起きるのは、たいてい余白があるときです。

午前、朝ごはんへ。
以前から気になっていた店に、ようやく来られました。
車中泊で3日間を確保できたことが、ここで効いてきます。

ちゃんま 朝ごはんの看板
ずっと気になっていた朝ごはん。旅の時間があると、自然に回収されていきます。
ちゃんま|長谷
ちゃんまの朝ごはん
つながりは、あとから気づくことが多い。
ちゃんま|長谷

その後は、海沿いを歩き、温泉へ向かいます。
旅の終盤に身体が戻る順番を入れておくと、戻り方が綺麗になります。

稲村ケ崎の海沿いの遊歩道と冬の海

海沿いを歩くと、思考より先に身体が戻ってきます。
旅の終盤にこの順番があると、戻り方がきれいになります。
稲村ケ崎・海沿い

鎌倉へ戻り、最後に甘いものを食べ、お土産も買います。
途中、車のカーブで箱が吹っ飛び、これは絶対崩れたな……と笑いました。
形は崩れても、味や時間は崩れません。

ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ 外観
旅の終わりに、甘いものを買う。持ち帰れる余韻です。
la boutique de yukinoshita kamakura|鎌倉
ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ ケーキ
店で食べたもの。他は、持ち帰る途中で、少し崩れました。けれど、味や時間は崩れません。
la boutique de yukinoshita kamakura|鎌倉

おわりに

出来事が多かったわけではありません。
けれど、視点は何度か切り替わりました。

車中泊という余白が、
この3日間を、ひと続きの流れにしてくれた気がします。

旅は、遠くへ行くことではなく、
日常の角度を少し変えることなのかもしれません。

海沿いから見える江の島と富士山
旅の終わりに、たまたま通りかかった場所。
けれど、振り返ると、この景色が
3日間を静かにまとめているように感じました。
稲村ケ崎

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Shingo Takenaka

Shingo Takenaka

しなやかな律を探る実践者|APLF主宰

北海道・苫小牧市に生まれ育つ。東京大学大学院を修了後、外資系テック企業で働きながら起業。 現在は、人・もの・自然をつなぐ活動を軸に、自己の律と他者との共生を探求しています。 APLFでは「自分らしく、しなやかに生きる」ための実践知を静かに発信し、日々の整えから人生の投資と回収まで、思考と行動を重ねながら日常の美しさを見つけ続けています。

  1. 力は、どこにあるのか分からない─ 音楽と文章と、関わりの話

  2. 心は、外に置かれはじめている

  3. 0の側に触れた夜─ 向きが変わっていたことについての記録

このメディアをつくっている人

Shingo Takenaka

APLF主宰

しなやかに、自分の律で生きる
人と自然、もののめぐりを見つめながら
東大院|外資テック|起業10年

.
去年の旭山で。

何をしているのかは、よく分からない。
でも、ずっと見ていられた。
.
海に来ると、
言葉が一度、ほどける。
.
APLFとは、
世界を少しだけ丁寧に見つめ直すための
静かなメディアです。

日々の暮らしや、旅の途中でふと立ち上がる気配。
風の温度、土地のリズム、
光と影のあいだにひっそりと生まれる小さなゆらぎ。
そんな“見過ごしてしまいそうなもの”を
静かにすくい上げています。

扱っているのは、
美しさの気配、日々の気づき、
旅の記録、よいもの、習慣、哲学、
そして生命をめぐる静かな断片たち。

Instagramでは、
その入口となる小さな断片をシェアしています。
より深い物語や背景は、Webサイトにまとめました。

ゆっくりと、自分の歩幅で。
そんなふうに世界と関わりたい人へ。

▼ Web
https://aplf.jp
.
人が集まることには、
いつも光と影の両方がある。

SNSで誰かが見つけてくれて、
新しい世代や旅人が混ざり、
店や街に活気が生まれる。
それは間違いなく“光”。

ただ、広がりのスピードが
その場所が育ててきた“温度”と
噛み合わない瞬間もある。

たとえば京都の、とある昼から飲める蕎麦屋で感じたこと。
ここは少し入りにくい佇まいで、そもそも見つけにくい場所にある。

その日、大学生が扉を開けて入ってきた。
「どうやって見つけたんだろう?」と店主に聞くと、
答えは “SNSの投稿で知ったから”。

来てくれること自体は嬉しい。
でも店主がふとこぼした、
「少し違う店になった感じがあるんだよね。
常連さんが入りづらくなって離れてしまう店もあるようだ」
という静かな言葉も、たしかにそこにあった。

もちろん、発信が店や地域を支えている場面も多い。
僕のまわりの発信者たちは、
店や土地のリズムや空気に寄り添いながら、
文脈ごと丁寧に届ける人ばかりだ。

だから、バズが悪いわけじゃない。

ただ、土地には土地の歩幅がある。
その速度に合わせて広がっていく関わり方が、
きっと美しいのだと思う。

たとえば山口県の、とある温泉街のように。
土地のリズムに合わせて、
ゆっくり関係性を育てている場所もある。

光と影の両方を感じながら、
その土地とどう関わるか。
旅人にも、地域の人にも、
その感性がきっと必要なんだと思う。

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