よいものは、探すより“気づく”に近い。
「『よいもの』を見極め、選びとる──価値を感じる力を養う」と
「よいもの|深める #1|よいものの“見え方”──選ぶ眼を養うということ」で触れた
“選ぶまなざし”を、暮らしの選択で確かめるために、“選ぶ前の3分”を今日は整えてみましょう。
はじめに:つい「安さ」や「流行」で選んでいない?
安いから、みんなが使っているから──そんな理由で選んだものが、結局ほとんど使われなかった経験。
誰にでもあるはずです。よい選択は、「自分に本当に必要か」に気づくことから。
この3分ルールは、その感覚を取り戻す小さな練習です。
ステップ① 買う前に「味わった記憶」を探す
手に取る前に、似た体験を思い出す。
「それを使ったとき、どう感じた?」「誰とその時間を過ごした?」──
記憶の中の“感情の手がかり”が、選ぶ軸になる。
ステップ② モノやサービスに“人の顔”を思い浮かべる
その背景にある手仕事や想いを想像してみる。
顔の見える選択は、使う時間に“温度”をもたらします。
ステップ③ 自分にとっての“長く残るよさ”を基準に
一瞬の高揚より、「1年後も好きでいられるか?」を自問。
“長く残るよさ”が見えるほど、選択は自分らしくなる。
30秒ミニテンプレ
【似た体験の記憶】…… 【思い浮かぶ人の顔/手仕事】…… 【1年後も好き?】 Yes / No(理由)……
忙しい日の“1分版”
- 「これは記憶に残る?」と一問だけ投げる
- 作り手or販売者のページを10秒だけ眺める
- 買う前に一度、深呼吸して手ざわりを確かめる
週次の拡張:日曜3分「Myよいものログ」
今週の購入・検討を振り返り、当たりだった3つを一行メモ。
「惹かれた理由」と「長く残るよさ(素材/背景/用途/美/影響)」のどれが働いたかを添える。
よくある詰まりの解消(Troubleshoot)
- 迷いすぎる: 上限時間を3分に固定/翌日に持ち越す
- 情報の渦: レビュー3件まで/公式1ページだけ
- 衝動買い: カート→一晩“保留”をデフォルトに
実践後の変化:選ぶことへの納得感・失敗の減少
迷う時間が減り、「これでよかった」の感触が増える。
よいものを選ぶことは、感性の声を信じること──それは、自分の律を取り戻す行為でもあります。
続けるコツ&問いかけ
- 「3分立ち止まる」をルール化する
- 日常の「これはよい」をメモしておく
- 問い:「最近、“長く残るよさ”を感じた瞬間は?」
関連:APLFの7つの共通原則より
すべての断面には、〈7つの原則〉が静かにめぐっています。
この実践はとくに 原則4「循環をつくり、回す」に響き合っています。
よいものを選ぶことは、価値の流れに手を添えること。
めぐりの中で、世界は少しずつあたたまっていく。
